日文版
-----正文-----
この人の体から、眩しいくらいの赤い液体が、どくどくと。
甘い。苦い。
匂い。
嗅ぎ惯れたはずなのに、今は鼻の奥がひどく痛む。
なぁ、血ってんのがさ、もっと暖かいもんじゃなかったのか?なんで…なんであんたの血は、こんなにもつめてぇんだ?
だってそうだろ?つめてぇから俺は、震えてるんだろ?
「やくっ…そ…ぅ…」
约束?…あの日のことか。俺は冗谈で言ってたつもりだったのに、あんたは真に受けて、约束までしてくれたなぁ。
そうだ、あんたはいつだって、まっすぐに俺を见れくれた。ごまかせず、ただ、まっすぐに。
嬉しかったなぁ。
「お…て…ぎね…」
名前を、名前を呼んでくれた。そのきれいな声で、何度も呼んでくれた。
その声が闻きたくて、呼ばれてるの気づいてたのに気づいてないふりして、あんたを怒らせたこともあったなぁ。
「大倶利伽罗、俺は约束を守る。あんたとの约束だからな。」
「……」
気のせいかもしれない。腕の中で冷たくなっていくこの人は少し、笑った、気がする。俺が何を言ったって何をしたって笑ってくれなかったくせに、こんな时にずりぃよと、喉まででかかった言叶を饮み込んで、俺も笑いかけた。
ちゃんと、笑えた?
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